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『トラブルに巻き込まれそう』というときは早めの相談が大切です

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弁護士法人 中 村 利 雄 法 律 事 務 所
−NAKAMURA LAW OFFICE−      

リレーコラムCOLUMN

2013年

中小企業金融円滑化法が終了します 〜早めの対応策を〜
                             弁護士 宮ア純一

 

 皆様ご存知のとおり、本年3月末をもって中小企業金融円滑化法(中小企業等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律)が終了します。この中小企業金融円滑化法を利用している中小企業は、全国で約40万社といわれています。

 中小企業金融円滑化法の終了に伴い、今後の金融機関の対応も従前とは異なってくることが予想されます。したがって、中小企業の皆様も、これまでとは異なる対応を金融機関から迫られる可能性があります。
 金融機関は、取引先企業の支援継続について、その企業の損益状況や財務状況に応じてランク別に検討しているといわれています。したがって、今後、中小企業が採る対応も、金融機関からどのランクに振り分けられているのかによって異なってくる可能性があります。
 例えば、黒字経営ではあるが金融負債が負担となっている中小企業であれば、金融機関とリスケ交渉をしたり、経営改善方法を検討したりすることになる一方、すでに資金繰りが破綻している中小企業の場合は、金融機関の支援継続は見込めないので、各種の再生手続等を採る必要があります。
 再生手続きには、私的再生や法的再生等がありますが、中小企業の経営状態が悪化すればするほど対応策の選択肢は少なくなってしまいます。したがって、中小企業の対応策としては、対応策への着手が早ければ早いほど選択の幅が広がることになります。

 中小企業の皆様におかれましては、なるべく早い段階で、今後の対応策について具体的に検討していただけたらと思います。
 そして、このような中小企業の皆様のニーズに応えるべく、京都弁護士会では中小企業支援に特化した法律相談も実施しています。早めの対応策のために、ぜひご利用いただけたらと思います。
【平成25年2月記】


「もしもし、こちら預金管理の者ですが・・・」
                             弁護士 中村映利子
 
「サギノミクス」
 「お金くだサギ。(詐欺)」
 「他人の親のスネかじり隊」
 「うっかり詐欺兵衛」
 「今すぐにお金が必要なんだ…いつ振り込むの?今でしょ!詐欺」

これは、今春、警視庁が募集した「振り込め詐欺」の新名称の応募作品の数々です。ツイッターでも応募できる手軽さもあってか、なんと14104件、9085点の応募作品が寄せられたそうです。やや「ウケ狙い」に走った感のものもありますが、社会現象に多くの人が関心を寄せるのは良いことですね。

先月12日、警視庁は、「母さん助けて詐欺」を新名称として発表しました。今回の名称変更は、これまで使われていた「振り込め詐欺」では詐欺手口を的確に表せていないということから行われたものです。
 そもそも「振り込め詐欺」は、かつて「オレオレ詐欺」として有名になりました。ご存じの通り、我が子になりすまして預金口座に金銭を振り込ませるという手口ですね。
 しかしニュースで「オレオレ詐欺」という名称が有名になるや、「オレ」以外の人物が振込を要求する詐欺が増加しました。例えば、息子に貸した金を返せと直接親に言ってくるニセ金融屋、未払保険料があるのですぐに支払ってくださいと振込を求めてくるニセ公務員・・・。
 そこで、詐欺は「オレオレ」だけではないことを周知するため、預金口座への振込を要求するという手口が共通していることから、「振り込め詐欺」という名称が使われるようになったようです。
 ところが、今度は現金を自宅まで直接取りに来るなど、「振り込ませない」手口が急増。今では、なりすまし詐欺の約7割が、直接現金を手渡しさせる方法をとっているとのことです。
 たしかに詐欺の手口が広く周知されれば、詐欺被害を未然に防ぐことができそうですね。しかし、これまでの流れを見てお分かりのように、残念ながら詐欺手口は日々進化し、皆さんの意識の裏をかいくぐって襲いかかってきます。

例えば、架空の通信販売や借金の支払いを請求してくる「架空請求詐欺」や、投資商品を買うと嘘をついて保証金を振り込ませる「融資保証金詐欺」、保険金の還付金があり支払いには事前に手数料が必要だと行って請求する「還付金等詐欺」などは、新名称「母さん助けて詐欺」とは、大きくイメージが異なるので、注意が必要です。
 先日我が家にも「預金管理の担当の者ですが、通帳とキャッシュカードを預からせていただけませんか?」という電話がありました。それらしい機関名と立場を名乗ってくるところがイヤらしいですね。
 残念ながら、一度支払ってしまうと回収が困難になってしまうケースも少なくありません。また、時間が経てば経つほど、被害金の行方を辿るのは困難になります。

まずは、支払う前に、「おかしいな?」と気づきたいところです。しかし敵も然る者、なかなか難しいのが現実です。支払ってしまった後でもかまいません。「おかしいな?」と思ったら、少しでも早く専門家に相談することをお勧めします。
【平成25年6月記】


「地域の“目”に」〜悪質業者から地域を守る〜
                             司法書士 桝田美佳子

 先日、消費者被害関係機関合同懇談会に出席しました。これは、普段、高齢者と接する機会が多い中京区の地域包括支援センターなどの地域の機関と、中京警察・京都市消費生活総合センターが、消費者被害に関する情報を提供しあうことを目的とした懇談会です。
 
 昨年より、京都市の地域包括支援センターでは、管轄内の独居高齢者を訪問する事業を進めています。地域包括支援センターからの報告では、訪問した中で被害を受けた高齢者はおられませんでしたが、いま、ニュースなどでよく取り上げられている『母さん助けて詐欺(オレオレ詐欺)』、『押し買い』、『送りつけ商法』未遂は中京区でも発生していました。
 警察からは具体的な事件の報告があり、被害を未然に防ぐのに有効な方法として、@「警察に言うぞ。」という一言が相手を引き下がらせるのに効果的であることA毅然と断ることが大事ということでした。とにかく「警察」と言ってくださいと。

 私は、成年後見制度利用による消費者被害防止について意見を述べました。数年前に認知症の姉妹が高額なリフォーム詐欺にあった事件がありましたが、被害にあった後に被害金を取り戻すのは困難です。いかに防止するかは、いかに高齢者に関わる手・目を増やすかです。成年後見人として高齢者に関わる介護事業者との連携がとても大事です。

京都市消費生活総合センターによると、平成23年度と平成24年度を比較すると、平成24年は相談件数が約300件減少しています。ところが、相談者の年齢別にみると70歳以上の方からの相談件数は増加しているのです。インターネットの普及より簡単に情報を入手し自衛ができている世代と、情報が行き届いていない世代との差がでています。
 京都市内では高齢者の単身世帯が増えてきています。地域の高齢者が家に閉じこもらないように気軽に集まれる場を設けることや、地域住民がお互いに見守りあうことが、高齢者の消費者被害を未然に防ぐために有効な方法だと思います。そして、「あれっ、いつもと様子が違うな。」と感じたら、地域の機関に相談してください。地域に悪質な業者が出入りしないように、地域のみなさんの目がとても大事なのです。

【平成25年7月記】

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