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『トラブルに巻き込まれそう』というときは早めの相談が大切です

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弁護士法人 中 村 利 雄 法 律 事 務 所
−NAKAMURA LAW OFFICE−      

リレーコラムCOLUMN

2015年

全国法曹サッカー大会に参加して            弁護士 宮ア純一
 
1 はじめに
「サッカーは、子どもを大人にし、大人を紳士に育て上げる。サッカーは、人生の鏡である。そこには人生のあらゆるものが映る。グランドはサッカーだけをやるところではない。人間としての修練の場である。」

日本サッカー育ての親と言われるドイツ人のデットマール・クラマーの言葉です。


2 全国法曹サッカー大会とは
 2014年11月1日(土)及び同月2日(日)、紳士に育て上げられた法曹人が全国から静岡に集結しました。華々しく第27回全国法曹サッカー大会が静岡で開催されたのです。1年に一度の晴れ舞台です。全18チームが二日間に渡り、熱戦を繰り広げました。

 参加者には、弁護士、裁判官、検察官以外にも修習生、裁判所書記官・事務官、法律事務所職員など様々な法曹関係者がいます。年齢も、若くて元気のよいピチピチの修習生もいれば、50歳代の選手もいます。部総括判事の裁判官も現役バリバリで活躍します。女性選手もいる一方で、元Jリーガー弁護士という反則的な選手もいます。

 京都からは、例年通り、ヤングチーム(若手主体のチーム)とマスターズチーム(若手・年配混合チーム)の2チームが参加しました。ちなみに、当職は、もはや若くはありませんが、ヤングチームに所属しています。京都の各チームの最終成績は、京都ヤングチームが4位(昨年は準優勝)、京都マスターズチームが12位(昨年は16位)で、京都マスターズチームは昨年から躍進しました。


3 各参加チームの最終成績
・優勝  名古屋1 (7位)(括弧内は昨年成績)
・準優勝 福岡   (3位)
・3位  大阪1  (4位)
・4位  京都ヤング(2位)
・5位  東京B  (6位)
・6位  横浜1  (5位)
・7位  名古屋2 (初参加)
・8位  横浜2  (13位)
・9位  神戸1  (9位)
・10位 東京A  (1位)
・11位 札幌   (10位)
・12位 京都マスターズ(16位)
・13位 静岡   (11位)
・14位 広島   (12位)
・15位 大阪2  (14位)
・16位 東北連合 (8位)
・17位 神戸2  (15位)
・18位 九州選抜 (17位)


4 京都チームの対戦成績
(京都ヤングチーム)
・第1戦 京都ヤング VS 札幌   (1:0) 勝利
・第2戦 京都ヤング VS 九州選抜 (1:0) 勝利
・第3戦 京都ヤング VS 横浜2  (1:0) 勝利
・第4戦 京都ヤング VS 名古屋1 (0:1) 敗退
・3位決定戦 京都ヤング VS 大阪1(0:0) PK戦で敗退

(京都マスターズチーム)
・第1戦 京都マスターズ VS 横浜1 (0:4)敗退
・第2戦 京都マスターズ VS 大阪2 (0:0)PK戦で勝利
・第3戦 京都マスターズ VS 東京A (0:3)敗退
・第4戦 京都マスターズ VS 札幌  (0:3)敗退


5 大会初日
 まず、京都ヤングチームは、大会初日に、第1戦、第2戦及び第3戦を順調に消化し、大会1日目を全て勝利で終えました。

 次に、京都マスターズチームは、第1戦で横浜1チームに負けたものの、第2戦で大阪2チームに対し、PK戦の末、見事勝利しました。京都マスターズチームにとって、大阪2チームは宿敵であり(阪神と巨人に似た関係。)、伝統の一戦となります。しかも、大阪2チームは、元Jリーガーを擁する反則的なチームです。元Jリーガーが牙をむいて襲いかかってきます。

 他方、京都マスターズチームは、全国に名を馳せる鉄壁のディフェンス陣を擁しています。そう、センターバック2人の合計年齢が100歳を超え今なお現役バリバリのバック陣です。まさにレジェンドです。京都マスターズチームは、この伝統の一戦に、チーム一丸となって全精力を注ぎました。そして、元Jリーガーを擁する大阪2チームの猛攻撃を撃退し、作戦通りPK戦に持ち込み勝利を収めたのです。

 この、京都マスターズチームと大阪2チームの試合こそ、サッカーの醍醐味といえます。サッカーは、決して一人でやるスポーツではなく、フィールドの11人、控え選手、ベンチ陣、マネージャー(京都チームにもマネージャーがいます!)やサポーターら全員が一丸となって、勝利に向かってひたむきに努力するものなのです。そして、そのチーム一丸となって勝利に向かう姿勢は、1回の試合で養われるというものではなく、日々の練習の積み重ねの結果培われるものなのです。チームに突出したプレーヤーが一人いたとしても、他の選手がサボれば勝てないのです。それがサッカーです。だからこそ、サッカーは、人生の鏡であり、人間としての修練の場であり、大人を紳士にするのです。

 京都マスターズチームのメンバーは、紳士集団だったのです。


6 懇親会
 このようにして、京都ヤングチーム、京都マスターズチームは、それぞれ大会初日を満足のいく結果で終えました。大会1日目の夜は、恒例の懇親会があります。選手、家族、マネージャーら全員が一堂に会し(300人くらいか)、親睦を深めます。懇親会でお酒を飲むことを大会の目的にしている選手もいます。

 今大会は静岡ということもあり、懇親会では、元ジュビロ磐田のゴン中山(元日本代表)からの爆笑ビデオレターが放映されました。ビデオレターの内容を皆様にお伝えすることができないのが残念です。

 懇親会は例年通り盛り上がり、皆が酔っぱらいのオヤジになっていました。そこに紳士は誰もいませんでした。


7 大会2日目
 大会2日目、いよいよ京都の各チームの本番です。

 まず、京都ヤングチームは、優勝した名古屋1チームと対戦しました。終始、京都ヤングチームが攻め続けていましたが、一瞬の隙をつかれ、コーナーキック1本でやられてしまいました。サッカーは、なかなか点が入らない場合もありますが、案外、点が入るときは、一瞬で決まったりします。つくづくサッカーはおもしろいスポーツだと思います。いろいろ言い訳をしても、京都ヤングチームは、名古屋1チームに負けてしまい、悲願の優勝を逃してしまいました。その後、京都ヤングチームは、大阪1チームと3位決定戦を行いましたが、PK戦の末、敗れてしまいました。当職は、PKのキックの順番が回ってこないかビクビクしていましたが、そんな当職に気を遣ってくれた選手が、当職に順番が回って来ないように決着をつけてくれたので、命拾いしました。結局、京都ヤングチームは、4位という成績で大会を終えました。

 京都マスターズチームは、前日の大阪2チーム戦で全ての力を出し切ってしまったのか、あるいは懇親会で飲み過ぎたのか、東京Aチーム(昨年優勝)と札幌チームに二連敗してしまいました。結局、京都マスターズチームは、12位という成績で大会を終えました。


8 最後に
 全国法曹サッカー大会は、老若男女問わず、いろいろな法曹関係者が分け隔て無く親睦を深め、あるいは、上下関係の無いサッカーという場で仕事のストレスを発散(鬱憤を晴らす)し、明日からの仕事の円滑化を図ることにその目的があります。今年で27回目(27年目)を数え、参加人数・参加チームなど年々規模が拡大しています。法曹人口の増加の影響か、様々な経歴の持ち主が大会に参加するようになり、大会のレベルも年々上がってきています。そんな中、優勝するのは簡単なことではありませんが、来年こそは、(お酒を飲まなければ)紳士集団である京都チームは、優勝とフェアプレイ賞の二冠を達成したいと思っています。

【平成27年1月記】


役員変更登記を怠っていると…「解散」!?   司法書士 桝田美佳子

   司法書士の主な仕事に「登記業務」がありますが、「登記事項証明書」と聞いても、一般の方はあまりピンとこないかもしれません。法務局に登記されている不動産や会社の登記内容が記載されていて、不動産だとその不動産の広さや所有者、担保権の有無などが、会社だと本社所在地や設立年月日、資本金、代表取締役などの情報が載っています。

例えば、土地を買うときは目の前にいる売り主が本当に所有者であるのか、ビジネスで契約するときは、目の前にいる取引先の会社が本当に存在するのか、登記事項証明書を見ることで確認することができます。登記制度は、取引の安全のための重要な制度なのです。ですから、株式会社であれば本店所在地や取締役を変更した場合、変更が生じたときから2週間以内に登記をしなければならない(会社法915条1項)と定められていますし、その期間内に変更登記をしなければ100万以下の過料に処せられます(同法976条)。

  では、更にもっと長い期間、登記を放置すると、どうなるのでしょうか?

  全国の法務局では、平成26年度に「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」が行われました。
 平成26年11月17日の時点で
 @最後の登記から12年経過している株式会社
 A最後の登記から5年経過している一般社団法人又は一般財団法人
に対して、管轄の法務局から、まだ事業を継続しているならば平成27年1月19日までに「事業を廃止していない」旨を届けてください、という通知書が送付されました。期日までに役員変更等の必要な登記が申請されず、また「事業を廃止していない」旨の届出がなかった場合には、平成27年1月20日付けで解散したとみなされ、法務局の職権で解散の登記がされました。これを「みなし解散」といいます。

  例えば、株式会社であれば、取締役の任期は原則として2年、最長でも10年と規定されていますから、少なくとも10年に一度は取締役の変更登記が申請されるはずです。それが12年していないとなると、「本当にまだ事業をしているのですか?」、「事業していないなら、こちら(法務局の職権)で解散登記をしてしまいますよ。」となるわけです。

  登記すべき期間が経過してから登記申請すると過料に処せられますが、過料を恐れて更に放置すると「みなし解散」になってしまう可能性があります。ただ、みなし解散の登記がされてしまった株式会社でも、まだ事業を継続したい場合は、登記後3年以内に限り、株主総会の特別決議で会社継続を決議し、その2週間以内に継続の登記をすることで、会社を継続させることができます。

 登記は適切な時期に申請をお願いします。

【平成27年2月記】


マスクの人           弁護士 吉田誠司
 

電車に乗ると、5人に1人くらいはマスクをしている。花粉症の季節だ。これほど多くの人々がマスクをしている日本に、外国人は驚くという。外国に行って確かめたわけではないが、確かに京都を歩いている外国人観光客の中に、マスク姿をほとんど見かけないのは事実だ。

 私が子どもの頃の昭和40年代、マスクをした大人といえば、給食のおばちゃんと、過激派の学生のお兄ちゃんくらいだった。50年代になるとこれに暴走族が加わった。昔は衛生のためというより、顔を隠す用途で使われる傾向があったようにも思う。そういえば今も芸能人はプライベートではマスクで顔を隠したりする。

 しかし最近は、いろんな場面でマスクの人を見る。医師や看護師、薬剤師、介護関係のお仕事の方はもちろん、多くの一般人がインフルエンザや花粉の防護に使う。駐車場整理や警備の人にもマスク姿が多いが、これはやはり空気環境が悪いか、寒いからであろう。仕事がらで言えば、刑事事件で被告人を法廷へ連れてくる拘置所の職員さんも必ずと言っていいほどマスク着用だ。風邪を移したり移されたりしないためであろう。

 ネットの情報であるが、実際今やマスクは年間200億円以上の市場規模だそうだ。年間生産も家庭用だけで何と23億枚だという(2014年度)。全ての日本人が年に20枚以上は使っている計算だ。これだけ普及したのは、SARSや鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ、PM2.5問題などがきっかけになったこともあるが、昔よりマスクが安価になり使い捨てできるようになったからだろう。

 マスクには立体型とプリーツ型があるが、最近は旧来からのプリーツ型の方が人気のようだ。あの、トリのクチバシのような立体型より、見た目がいいのかも知れない。最近はピンクや黒のマスク、花柄や和柄、香りつきのものまである。「伊達マスク」とか「マスク美人」などという言葉もある。マスクをしていると、他人と喋るのに緊張しないという人もいるようだ。サングラスみたいなものだろうか。清潔好きという以外に、マスクは今やこの国のファッションや精神文化にもなっているのだろうか。

 ちなみに法廷では帽子などは脱ぐように裁判長から注意される。マスクは現在のところ問題ないが、被告人や証人がマスク着用で証言するのは、表情が見えなくなるから原則として許されない。黒とか真っ赤なマスクはどうだろう。1人くらいならいいが、もし傍聴人が全員黒のマスクで統一していたりしたら、威圧感があるとして退廷させられるかも知れない。

 私自身も花粉症で、この時期マスクが手放せないのだが、改めて周りを見渡したところ、余りのマスク人口の多さに気づき、役にも立たない空想をしてしまった次第である。

【平成27年3月記】

ヒガンバナ           弁護士 平尾嘉晃

  なぜか、私は、彼岸花が好きです。
  特に、秋、田んぼの脇にいっせいに咲く風景がたまりません。
  縁起が悪い、毒がある、といって敬遠される方もいますが、私はなぜか子供のころから、この花が好きでした。たぶん、自分の誕生日がお彼岸(春の方)であることが影響しているのかもしれません。そういえば、ぼたもち、おはぎも子供のころよく食べました。ちなみに、牡丹餅は春、お萩は秋、同じものですが、食べる時期で呼び名が違うのだそうです。

 さて、そんな彼岸花ですが、実は、日本に存在する花は全て同じ遺伝子だそうです。
 稲作の伝来とともに、中国から伝わった1株が、日本各地に株分けの形で広まったと考えられています。同じ遺伝子をもっているいわばクローンであるが故、花が咲く時期も枯れる時期もいっせいなのかもしれません。そういえば、ソメイヨシノも江戸時代に、品種改良で人工的に生み出されたクローンです。
 そのため彼岸花もソメイヨシノも、いっせいに開花し、いっせいに散っていきます。
 また、どちらも、種子で繁殖できず、一代限りの命です。

 彼岸花は、別名「葉見ず花見ず」と言われています。
 そういえば、彼岸花は、茎が長く伸びてその上にいきなり花がついています。
 はて、葉っぱはいずこ?
 実は、花が枯れた後、同じ地下茎から、今度は葉っぱだけが生えてきます。
 この葉っぱは水仙の葉と形状が似ていますが、もうすこし、濃い緑色をしています。
 花が枯れた後、同じ地下茎から固まって複数本繁ってきて、次の年の4,5月くらいに枯れていきます。つまり、彼岸花は、他の植物が枯れている冬の間に邪魔されることなく、葉を繁らせて、冬の太陽光で光合成しているのです。

 このように、他の花とは、まったく異なるライフサイクルで、稲作伝来時から、日本に根付いている彼岸花に、なんともいえない生命力の逞しさ、知恵を感じるのでした。

【平成27年5月記】


            弁護士 宮ア純一

今年も蛍の季節が終わろうとしています。
 ここ数年、毎年必ず蛍を見に行っています。
京都は、市内でも自転車圏内で自然の蛍を見ることができ、とてもすばらしい町だと改めて感じています。

  私の故郷である岡山でも蛍を見ることができましたが、京都よりも田舎であるにもかかわらず、自転車圏内ではなかなか蛍を見ることはできませんでした。私も幼い頃、家族で蛍をよく見に行きました。岡山で蛍が見ることができる場所は、周りに街頭など全くなく、本当に真っ暗な所ばかりでした。当時の私に蛍の情緒を感じられる感性など全くなく、ただただ一面真っ暗な世界の前で、「おばけが出るから、早く帰ろう。」と親に帰宅をせがむばかりでした。

 今年も先日、京都で蛍を見に行きました。これから始まる夏本番の暑さの前に、川縁で静かに淡く光る蛍の涼しさを感じると心が落ち着き癒されます。また、蛍を見ることができる期間は短く、刹那的で儚さを感じます。

そんな蛍を見ながら、ふと周りに耳を傾けると、「おばけが出るから、早くかえろうよ。」と親にせがんでいるこどもの声が聞こえました。どこかで聞いたことのあるセリフです。思わず一人でほほえみました。と同時に、幼少の日々を思い出し、郷愁にかられました。

 蛍鑑賞の楽しさが今年また一つ増えました。

【平成27年6月記】


ワンストップサービス           司法書士 桝田美佳子

 「ワンストップサービス」という言葉をご存じでしょうか。

 必要な関連する手続きが一度または一カ所で完了できるようになっているサービスのことで、元々は行政が実施するサービスを指すこと多かったのですが、他の業界でも広まっています。

 私たちの法律分野、例えば相続相談だと、弁護士が遺産分割協議書の作成を、司法書士が不動産の移転手続きを、税理士が相続税の申告を、と各専門職が関与することになります。専門職が連携し合うことで、依頼者が各専門職の事務所に行き何度も同じ説明をすることなく、一カ所の法律事務所を窓口として相続手続きを完了することができます。

 では、高齢者または障がい者が必要とする支援はどうでしょうか。
    高齢者は地域包括支援センター(高齢サポート)、障がい者は障害者地域支援センター、生活困窮者は福祉事務所などと窓口が異なります。しかし、例えば、認知症高齢者に関する相談では、高齢者に成年後見制度の利用が適切か弁護士や司法書士が検討したり、生活困窮者であれば行政に相談したり、生活の立て直しに必要なサポートは何になるのか地域包括に相談したり、、、と、一つの専門職だけでは解決できない事由が積み重なっています。

福祉分野でも、専門職が連携し合う「ワンストップサービス」が求められています。 京都市の多くの区で、地域包括支援センター、障害者地域生活支援センター、区役所の支援課、長寿すこやかセンター、社会福祉協議会、弁護士会、成年後見センターリーガルサポート(司法書士)、ぱあとなあ京都(社会福祉士)等の福祉分野に関わる専門職からなる権利擁護ネットワーク会議が開催されています。

 先日、今年起ち上がった「醍醐・山科権利擁護ネットワーク会議」に参加してきました。虐待事案について各専門職がグループワークを通して意見を出し合い、自分とは異なる視点に気付く機会になりました。

    地域住民が相談に訪れたのがどの窓口であっても、本人の支援に行政、専門職が連携し合うネットワークが地域に根付くように、私も協力をしていきたいと考えています。

【平成27年7月記】


かりゆしウェア           弁護士 吉田誠司

 私の夏場の仕事着は「かりゆしウェア」が多い。やや派手な色柄なのでアロハシャツに似た印象で語られることがあるが、アロハとは違い、必ず沖繩の草花・風物・伝統的な図案・絵柄をあしらうこと、沖縄県産であること、という約束事がある。「かりゆし」とは琉球の言葉で「めでたい」「縁起が良い」いう意味だそうだ。

 シャツの裾をパンツの中に入れないで着るので、風が通り、涼しい。もちろんノーネクタイなのでいわゆるクールビズスタイルだ。沖繩では官公庁でも民間企業でも、男女問わず、きちんとしたビジネスウェアとして定着している。言葉の意味とは矛盾するが、真っ黒の喪服の「かりゆしウェア」もある。

 京都ではまだ「かりゆしウェア」で仕事をしている人を余り見ない。京都の弁護士仲間では私の他には一人いるかいないかである。「ここは沖縄じゃないだろう」というご意見もあるだろうが、気候でいうと、今年8月の平均気温は那覇が 28・7度  、京都が28・3度。ほとんど変わらない。一日の最高気温の平均値では那覇31・3度に対して、京都は33・6度と、京都の方が那覇より日中暑かった。十分「かりゆしウェア」を着る環境条件はあるのだ。

 私は沖縄出身ではないが、間違いなく南方系の顔立ちなので、割と違和感なく見られているのではないかと思っている。沖縄ではない場所で敢えて「かりゆしウェア」を着る。それを見かけた人が、沖縄の過去と現在と未来のことを、ちょっとだけでも意識して考えるきっかけになればいいなあ、という思いもある。

 皆さんも来年の夏から、周りに「かりゆしウェア」ムーブメントを起こしませんか?

【平成27年8月記】


半年が過ぎて           弁護士 平尾嘉晃

 本年4月4日、所長中村利雄が逝去し、10月4日でちょうど半年となりました。4月4日は、長女の誕生日で、動物園に行くことになっていました。

 中村先生が旅立ったその時間、私は、神戸の王子動物園の満開の桜の下に居ました。 そして、満開の桜の下で、私は、訃報に接しました。この瞬間が来ることを覚悟していたのですが、妻と子供たちに、訃報を告げた後、私は、ただ泣き続けることしかできませんでした。

 前日の4月3日、すでに意識混濁状態だった中村先生は、ベッドで、「おれを事務所に運べ」と繰り返し、うわごとをつぶやいていました。「体調を整えて月曜日に事務所に行きましょう。」となだめたのが、私と中村先生との最後の会話になりました。

 3月終わりに再入院した際には、あと数日の命との告知を受けていました。それでも3月31日には、病院から車椅子で、事務所まで打ち合わせにやってきました。病院のベッドから車椅子へ、移動のため中村先生を抱きかかえましたが、その体は、あまりにも小さく痩せ細っていました。そんな体でも、中村先生は、事務所こそが自分の居場所、仕事こそが我がレーゾンデートルと思っていたようです。

 昨年の7月に余命宣告を受けて、事務所のみんな、それなりに心の準備をしていました。そして抗がん剤治療の影響で、日に日に痩せ衰えていく姿を見て、この日が来ることを覚悟はしていました。

 しかし、もう一度だけ体調が戻ることを願っていました。

 中村先生の好きだったキス釣りに、せめてもう1回だけでも行ければ、と願っていました。私の副会長の任期も3月いっぱいで終了するので、もう一度、一緒に事件ができれば、と願っていました。

 気が付けば、季節の巡りは早いものですでに彼岸花の盛りも過ぎ、今は金木犀の香りが漂っています。

 中村先生は、事件こそが自分に生き甲斐という思いでした。
 この思いを引き継いで、今後も事件処理にあたっていきたいと思います。

【平成27年10月記】


宇宙人に会えるかも?!        弁護士 宮ア純一

 宇宙人に会える日が来るかもしれません。

 先日、NASA(米航空宇宙局)が、「火星に液体の水がある強い証拠が見つかった。」と発表しました。これは、過去に水があったということではなく、現在、火星に液体の水が存在する可能性があるということです。今まさに、火星に水が流れているということになると、火星に生命がいる可能性が出てきます。これは、すごいことです。これまで、様々なSF映画で宇宙人が登場してきましたが、それが現実になる日が来るかもしれません。

 星に生命が生まれるためには、地球のような岩石惑星であること(木星や土星のようにガス惑星ではないこと)、液体の水があることなどが少なくとも必要であると言われています。そうすると、火星は最低条件を満たしているということなります。

 そして、宇宙には、約1000億個以上の銀河があると言われており、太陽系のような惑星をもつ恒星も10万個以上測定されていると言われています。そうだとすれば、火星にとどまらず、宇宙には、地球の環境に似た星が他にもあるように思えてなりません。

 夢や希望に満ち溢れた好奇心旺盛な少年・少女たちが、将来いつかきっと、宇宙人の存在する星を見つけてくれることを楽しみにしている今日この頃です。

【平成27年11月記】


年賀状                司法書士 桝田美佳子

  この時期、「あ〜、そろそろやらなきゃ...。」と何度も頭によぎっては、先延ばしにしていること、それは『年賀状』です。書店では年賀状作成ソフトがずらりと並び、テレビでは「年賀状ください。」とCMが流れ、そのたびに「あ〜、そろそろ...。」と。と言っても、年賀状を出すのがイヤな訳ではありません。

  2015(平成27)年用年賀葉書の総発行枚数は約33億枚だったそうで、この数を見ると「たくさんの年賀状が行き交っているなぁ。」と思うのですが、実際には年賀状の発行枚数は2003(平成15)年がピークで約44億枚、その後は減少傾向にあるそうです。減少の理由は、人口減少や友達付き合いの変化もありますが、インターネットやSNSの普及で手紙やハガキが生活から遠のいたことも要因のようです。

  先日、銀行で待ち時間に週刊誌をぱらぱら見ていると「年賀状のやめ方」という記事が載っていました。「突然ある年から送らない」のではなく、年賀状に「今年で年賀状を送るのを最後にする」ことをきちんと伝える年賀状を送る、という内容で、もらう方の気持ちを考えた方法に「なるほどなぁ。」と思いました。

  私はプライベートでは約50枚の年賀状を書いていて、送る相手はここ数年ほぼ同じです。中には20年前に海外旅行や留学先で知り合った人もいて、「この先彼らに実際に会うことはあるのだろうか?」というと、会わないのだろうと思います。でも「いま付き合いがないから年賀状を出すのをやめる」という気持ちにはなりません。お互いに(年を取っていく)写真を見て、楽しかった共通の思い出を思い出しながら「変わらないなぁ。」とか、「めっちゃ、お母さんしているやん!」とか呟くことが年賀状の楽しみであり、年賀状がやめられない理由であるからです。また最近は、年賀状の行き来だけだった友人とSNSでもつながり、年賀状をもらうのが更に楽しみなりました。

  お正月の楽しみのために「あ〜、そろそろやらなきゃ...。」と今日も呟くだけで、また一日が過ぎていきそうです。

【平成27年12月記】


バナースペース

弁護士法人中村利雄法律事務所

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